大きな内部空間を持つ、小さな山荘ハウス
高基礎でありながら、周辺建物と軒高を揃え街並みに馴染ませる。そんなコンセプトで建物ボリュームを探った結果、この削り出しの造形物のような建物形体が生まれた。
左官壁「スーパー白州そとん壁W」の素材感も相まって、どこか素朴でナチュラルな風合いを持つ建物となった。
外観で印象的な屋根形状は、南面が太陽光パネルや太陽熱温水器の設置を想定した最適な勾配とし、トップライトを設けた北側は直射日光が極力入らない角度としている。
また、この屋根の稜線がそのまま内部空間となり、子供室は屋根裏部屋のような楽しい空間となっている。
上下左右に繋がる、楽しく繋がる
家型屋根をそのまま内部に写し取った内部空間は、部屋の用途を越えて上下、左右に自由に繋がる。
白を基調としたシンプルな内部空間の中で、無垢フロア、リビングからダイニングまで連続するカウンター収納、家の中心で屋根まで伸びる木の板壁などがアクセントとなったナチュラルでさわやかな空間に。
また、北側屋根に設けたトップライトは、一年を通じて直射日光を避けた安定した明かりを1階リビング、ダイニングへと導いてくれる。
水災回避と収納力を満たす高基礎と北海道基準のエコハウス
床上浸水を回避するために選択した高基礎は、そのまま床下に広大な収納スペースとなり無限大倉庫を形成している。
また、高基礎によって持ち上げられた1階から繋がる屋外デッキは、将来東側へと増設することを想定している。その際、増設したデッキ下に車を駐車し、雪のかからない駐車スペースとすることを計画している。
建物性能面においては、一年を通じて温度差の少なく快適に、低燃費に暮らせる室内環境を実現するため、次世代省エネ基準の北海道基準を満たすことを前提に性能設計が行われている。
主な仕様・仕上げ
建物
家族構成 | 夫婦+子供2人 |
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面積 | 敷地面積 - 140.00m2(42.27坪) 建築面積 - 58.46m2(17.65坪) 延床面積 - 103.18m2(31.15坪) |
主な構造・性能
構造材 | 柱・梁/越後杉ブランド(県産スギ製品)(新潟県補助金適合、木材利用ポイント適合)、一部米松、一部構造用集成材、土台/ヒノキ |
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下地材 | 越後杉ブランド(県産スギ製品)、構造用合板、火山性ガラス質複層板(ダイライト)、構造用MDF |
構造設計 | 許容応力度計算にて安全確認(積雪1.0m考慮) |
温熱設計 | Q値(熱損失係数)/1.54W/m2K μ値(夏期日射取得係数):0.03 暖房エネルギー消費量/暖房負荷 5,142kWh/年 暖房用電気消費量/1,472kWh 自然温度差/4.05℃ |
主な外部仕上げ
屋根 | ガルバリウム鋼板竪平葺き |
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壁 | スーパー白洲そとん壁W(左官塗り壁)、一部戸袋状羽目板張り |
建具 | 窓/樹脂サッシ+真空トリプルLow-Eガラス(YKK AP APW330真空トリプル) 玄関/木製断熱玄関ドア(製作) |
デッキ | 杉、ヒノキ製作ウッドロングエコ塗り、スチール手摺 |
塗装 | 木部/プラネットカラーウッドコート塗り |
主な内部仕上げ
天井 | 1階/土佐和紙貼り 2階/土佐和紙貼り |
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壁 | 1階/土佐和紙貼り、一部から松羽目板貼り、キッチンタイル貼り 2階/土佐和紙貼り |
床 | 1階/カバ桜無垢フロア貼り 2階/カバ桜無垢フロア貼り |
主な内部仕様
造作家具 | 玄関収納、リビングカウンター収納、食器棚、トイレカウンター収納、洗面化粧台、スタディーコーナーカウンター、収納棚 |
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建具 | シナ合板フラッシュ製作建具、一部ナラ無垢框戸 |
キッチン | 造作キッチン |
設備
暖房 | 床下エアコン暖房システム(ヒートポンプエアコン) |
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冷房 | エアコン |
給湯 | エコキュート(ヒートポンプ給湯器) |
設計・施工
設計 | |
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施工 | 株式会社山口工務店 |